コチュウテン、と読みます。名古屋の高級フレンチの代名詞。名店中の名店。
アミューズは4品。一番左は新玉ねぎのスープ。甘味と旨味が一致団結。考えられる限り最上の美味なる液体です。
グジェール(チーズを練りこんだシュー生地)はグリーンピースのクリームが挟み込まれており、その一手間がグランメゾンたる存在意義を突きつけます。
グラスに入るはアサリとウド。思ったよりも旨味が乏しく、ソースも市販のフレンチドレッシングのような味わいで残念賞。
右はホタルイカとクスクス。味付けがスパゲッティ・ナポリタンのような直線的な味わいで面白かったです。
パンはパンは水分量が多く独特の食感。わずかな酸味が感じられ美味しい。
ズワイガニのガレット。想像していたのと全然違う料理で目を白黒させてしまいました。なるほど「ガレット」とは円形状の平たく焼いた料理全般であり、そば粉のクレープとは限らないのですね。
ただし味は見た目ほど印象的ではありません。ウニの色気が限定的であり、カニもこれだけ使えばそりゃ美味しいよねといったレベル。ブールブランソース(バターソース)も標準的。カリフラワーは見た目がグロテスクだったので、個人的にはムースにして食べるほうが好き。
やはりパンが旨い。パンのレベルが高いお店って貴重。
メインは七面鳥。右からモモ、セセリの煮こごり、フォアグラ、ムネ。モモは見た目の通りの野趣溢れる作品であり期待通りの美味しさ。仰天したのはムネ肉。ボブサップのように逞しい筋肉であり、ここまで食べ応えのあるムネは珍しい。
ちりめんキャベツに包まれたのはミンチ肉。凝ってるなあ。あくまで付け合わせなのでひらまつと同じレベルを求めるのは酷ですが、大変美味しく頂きました。
デザート1皿目はリンゴ特集。リンゴのジュレにアイス、リンゴチップに一貫性があり舌に心地よい。添加された甘味はハチミツでしょうか。優しく円い味わいです。
2皿目はチョコムースにチョコメレンゲ。柑橘系のアイスが乗せられており、個別具体的には美味しいのですが、民族自決した味わいであり調和しているとは言えませんでした。
小菓子は小さなチョコケーキにバタークッキー、ゼリーです。チョコケーキが良かったなあ。オマケでこのレベルが出せるとは凄い店である。
コーヒーについてもぬかりなし。完璧なコース料理でした。
評判どおりの素晴らしいお店でした。これだけの料理を提供して税サ込5,000円は奇跡。今度は夜に、たっぷりのワインと共に楽しみたいと思います。オススメ。
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- トラットリア トペ/新栄町 ←これだけ食べて税サ込3,300円見事な費用対効果。
- うどんの千/伏見 ←讃岐をぶっちぎって日本一好きなうどん。
食通たちが鰻の魅力とこだわりを語り尽くす一冊。よしもとばなな、沢木耕太郎、さくらももこ、椎名誠、村上龍、村上春樹、島田雅彦、五木寛之、遠藤周作、群ようこ、などなど最強の布陣が送るアンソロジー。
フランス料理 壺中天