スブリデオ レストラーレ/恵比寿


前回訪問した際の記事が大反響でございまして、たくさんの方からお便りを頂きました。中でも「アタシじゃ全然予約取れないから連れてって!」という具体的なご連絡にはアクションが取り易い。ピンアポでさっさと予定決めてくれる女の子って大好き。

ちなみに私は当店の関係者でも何でもないのですが、確かに東京のチーズ好きにとってはメッカのカーバ神殿もかくやという程の人気店であり、3週間先の予約にしてギリギリなんとかカウンター席を確保できました。
ナプキンが牛さんに折られています。この店のチーズにかける意気込みは執念めいたものを感じる。
クロス代わりに敷かれる紙にはイタリアのチーズとその産地が。連れの席にはフランス版。チーズの勉強をしている方は非常に参考になることでしょう。フェルミエではこのカラー版が1,200円ぐらいで売られています。
よく飲むふたりなので、グラスではなくボトルで開始。 ジュラのシャルドネ100%のスパークリングワインです。 香りがグレープフルーツで、余韻にも苦味があって面白かった。
生ハムと柿、ブルードーベルニュ(青カビチーズ)のサラダ。前回は生ハムと桃、ブリア・サヴァランでした。季節感大事。
前回、何度も絶頂に達し大のお気に入りとなったパスタ。3年熟成のゴーダが惜しげもなくすりおろされています。
中にはたっぷりのウニとコッテリしたソース、カッペリーニ。これ2人前で2,400円すなわち1人前1,200円なんですけど、ものすご安いですよね。味は見た目を裏切ることなく最高の味覚。このお店とこの料理がいつまでも続きますように。
当店名物のラクレット!3月のスイス旅行で色々と有名レストランを食べ歩いたのですが、何だかんだ言ってスイス人の家で食べたラクレットが一番美味しかったので思い入れがあるのです。
前回はマッシュポテトと大和芋を合わせて揚げ焼きにした「フリコ」にラクレットをかけましたが、今回はクロックムッシュに。挟まれたハムに厚みがあり迫力満点。クロックムッシュ単体でも美味しいのに、たっぷりのとろけるチーズとあれば鬼に金棒。
このワイン優秀。お店で飲んで5,000円を切ってくるのに堂々たる味わいでした。
コック・オー・ヴァン・ジョーヌ。鶏の黄ワイン煮です。ホロホロと崩れゆく鶏の優しさに、充実したコクのソースがたっぷり。正統派であり真っ直ぐに美味しかったです。
コック・オー・ヴァン自体はブルゴーニュ名物の鶏肉を赤ワインで煮込んだ料理を指しますが、それに「ジョーヌ」がつくと、ジュラ地方の看板ワイン「ヴァン・ジョーヌ」での調理です。 なんとも贅沢な逸品。
連れがヴァン・ジョーヌに興味を示していると、お店の方が味見にと、グラスで少し分けて下さいました。クミンやナツメグのようなスパイス感。東方的な味わい。ところで黄ワインは黄色で、赤ワインは赤色で、オレンジワインはオレンジ色ですが、白ワインって白くないですよね全然。
もう少し飲もうということで、もう1本。2軒目などと効率の悪いことはせず、オープンからラストまで6時間一気通貫で飲み続けました。

それにしても良い店だ。どの料理も美味しいし高くない。もちろん最先端の絵のような料理と想像を絶する演出があるというわけではありませんが、それはコンセプトが違うだけであり、こういう日常生活に溶け込んだ味わいがすぐ手の届く場所にあるという恵比寿住人が羨ましい。

そもそも人を萎縮させるようなゴージャスな雰囲気づくりって意外と簡単。人を場違いな気分にさせるほうがたやすく、逆に当店のようにいつでも温かく迎えられるような場所づくりのほうが難しかったりします。

お会計を済まし立ち上がると、「私も払う」と明細を私の手からひったくる彼女。「ごちそうになってたら、私から誘いづらくなるじゃない?」と言いながら一万円札をそっと私の胸ポケットに滑り込ませる。息がかかる程の距離で上目づかいで呟く彼女。「だからまた、会って、くれるかな?」

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