ル バーラ ヴァン サンカンドゥ/麻布十番



「この日空いてる?旦那が出張でヒマでさ、東京遊びに行くから付き合ってよ」。彼女は私の身近では一番のお金持ち。地方に住んでいるはずなのに、なんだかんだ理由をつけて東京を訪れ、また来たかと思うとカンテサンスに1日2回訪れたりするような奇行種です。

結局、彼女を含めて4人でハルピノで食事を楽しみ、「せっかくあたしが東京に来てるんだから、わかるでしょ?」というもっともらしい言い分に従い皆で2次会へLe Bar a Vin 52。
仕切りなおしでまずはビールから。「おまえさ、結局、おまえんとこの会社の株、どれくらい持ってるわけ?」専業主婦ながら、配当のみでそこらの会社員の数倍は収入を得ているであろう彼女。歩く打ち出の小槌である。今夜はその具体的な数字を聞き出しにかかります。「それは私の口からは言うことができない」 と、なんとも重みのある回答。
お通しのオリーブ。清潔で一点の曇りもありません。ヘンに手の込んだお通しじゃなくて、こういうので充分。さすがの成城石井の商品力である。

私が近々南仏とブルゴーニュへワイナリー巡りへ行く予定だと話すと「いいなあ、あたしはヒマ(で金は唸るほどある)なんだけど、付き合ってくれる女友達なんていないし、旦那はそんなに長く会社休めないし。。。」お金持ちはお金持ちなりの苦労があるようです。

じゃあ、仕事として行けばいいじゃん。新規事業としてワインを始めて、ワイナリーを適当にいくつか買っちゃえば?と冗談半分で提案すると「確かに、それもありかも。父に言ってみる
0時を過ぎバータイムでの営業だったので、フードは簡単なツマミのみです。それでもこれだけの盛り合わせが1,280円で提供してもらえるだなんて、成城石井の企業努力にはただただ頭が下がります。

「今度さ、○○さん(私の名)もウチの地元おいでよ!クルーザー出すから、パーティしよ!浜崎あゆみのBlue Birdみたいに!」クルーザー出すから、か。まるで最寄り駅に友人を迎えに行くようなノリである。「タイミングが合えば、友達が飛行機持ってるから、それで旅行するのもいいかもね!」これは決してフィクションではなく、現実世界の出来事です。
ロゼを狙ったのですが遭えなく品切れ。代打クレマンドブルゴーニュ。こちらも5,000円前後であり非常にリーズナブル。

それにしても私の周りには和製パリス・ヒルトンが多い。先日、別の女の子から突然「100人ぐらい乗れる、6億円ぐらいのクルーザーを自由に使わせてもらえることになったんだけど、何かしたいことある?」とのメッセージが送られてきました。

私はダイエーで売れ残りの半額のコロッケを手にしていたところだったので、「ごめん、今ダイエーだから帰ったら考える」とだけ返信したのですが、それに対する返しが「ダイエーって何?」でした。
唯一の炭水化物はペンネアラビアータ。チーズがたっぷりで味はまあまあなのですが、生ハムの盛り合わせ等と比べると費用対効果は劣ります。よし決めた!これからはシャルキュトリ1本だ!

「でも、○○さん(私の名)と飲むとやっぱ楽しいよね。モテる理由がわかる気がする。聞き上手だし、教養あって何でも知ってるし、ウィットに富んでるし、見かけはさておき
こちらも5,000円前後。素晴らしいワインバー。しかし残念ながら当店の深夜営業は金土のみ。毎日開けて欲しいなあ。

その後はお決まりの猥談モードへ。「あたしの友達、俳優の○○とヤったんだよね。飲んだ後に家に呼ばれたらしいんだけど、その誘い方がさすがだわ。『台本の読み合わせに付き合ってくれない?』だって」なるほどそれはパンピーが逆立ちしたって出てこない誘い文句。私が何度生まれ変わっても口にすることはできない台詞である。ちなみに私が今までに受けた最高にクールなドタキャン文句は「ごめん、オーディションが入った」です。
塩気が足りずシャルキュトリ追加投入。繰り返すようですがリーズナブル。近所にこういうお店があって私は幸せだ。

「浜崎あゆみのBlue Bird」から繋がって、皆はカラオケ行こう!というノリに。私はゆうべのこともあり左手がジンジンと疼くので断固拒否する構え。

僕は帰るから君たちだけで楽しんでくるといい、と席を立とうとすると、「俺が金払いますから来て下さい」と腕を固められる。ミスターボリュームアップにせよ、私の周囲の人間のカラオケに対する執念は常軌を逸しています。
結局深夜2:30にカラオケ屋に入る。「1時間だけで」とお店の人に伝えていましたが、そうなった試しがない。観念します。それにしてもネコ耳かわいい。
約束通りBlue Bird。ううむ、この時期のあゆみちゃんは唸るほど可愛い。アラサー世代にとって浜崎あゆみと安室奈美恵とモー娘。は永遠の青春です。
気のいい店員が「サービスですぅ!3つはテキーラで、1つだけジンジャーエール!」配分おかしいから。この店員は罰ゲームとは何たるかを理解していない。

結局30分の延長を2度繰り返し、店を出たのは4:30過ぎ。空が白み始め、早起きの蝉がもうすぐ終わる炎節に小さな悲鳴をあげる。今年の夏も楽しかった。来年もみんな元気に夏を迎えられますように。



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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
  • ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
  • 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる(と信じている)。
  • RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
  • ルバーラヴァン52 ←全般的に安い。2時間で追い出されるのが玉に瑕。
  • タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。