おにまる/麻布十番


スマホが輝き目を遣ると、「あるかないのかだけ教えてくれ」との一文。こんな横柄な誘い方をしてくるのはシイタケ嫌いしかいません。そして彼と行く飲み屋と言えばおにまるしかありません。
お通しのガメ煮。なんか久々食べたなあ。当店のこれは間違いなく絶品なのですが、遅い時間になると底をついていることが多く、したがって我々がありつける機会も自然と少なくなるのです。
博多風のひとくち餃子。これは良いサイズですね。その名のとおり一口でパクパクいけます。SNSが隆盛を極めた昨今は写真映えするハンバーグのような餃子が支配的になる一方で、こう、皮をも味わうことに主眼を置いた餃子がきちんと出されるのは嬉しい限り。
家でしっかりと冷房で涼んできたばかりだったのでビールは1杯にとどめ臨戦態勢に。
酢モツ。黙って食べればモツとは気づかないほどのクリアな味わい。下ごしらえ大変なんだろうなあ。
からしれんこんって妙に美味しいですよね。
うすにごり。酵母の香りと旨味がトロトロに感じられる一杯。これ好きだ。
マグロ納豆。「オレ、納豆ムリなんすよね」と言いながらシイタケ嫌いがマグロだけを集中的に食べ始める。それはルール違反ではないがマナー違反。とは言え元々の量がたっぷりあったので今夜だけ許してやろう。
なぜか唐突にグァカモレ。この店は確か九州料理屋だったはずだ。料理のボキャブラリーが豊富です。
先ほどと一転して極めて爽やかな一杯。日本酒って多彩ですよね。凍えながらコッテリとした味わいを楽しむものもあれば、キンキンに冷やしてスイスイと飲み乾すタイプも存在します。
本日初おにまるの方が注文した明太子ポテト。なるほど、常連はいつも似たようなフードしか注文しませんが、ピュアな気持ちで訪れれば我々の馴れ合いに一石を投じてくれることになります。前置きが長くなりました。美味しいです。ポテトの塩味を明太子で代用するという贅沢。
博多風のちゃんぽん。ちゃんぽんと言えば長崎という知識しかなかったのですが、細かいことはどうでもいい、絶句するほどの旨さなのである。それにしてもこの店の料理の底が見えない。2年以上通っているというのに未だに新メニューが登場する。「もんのすごい種類の食材を切り揃えないといけないから、0時以降の空いているときだけね」と、大将。読者の皆さんゴールデンタイムには注文しないようご配慮の程を。○○○○が幻のメニューになってしまったのと同様、私が色んな人に怒られることになります。
山田は健康診断の結果が芳しくなかったとのことで、再検査まではアルコールならびに22時以降の食事を断固拒否する構え。見かねた大将は「トコロテンぐらいならいいだろ」とさりげない優しさ。

皆に心配される山田に対し、お前もっと恋をしろよ、「デブとか絶対にムリ」みたいな女に本気で惚れればすぐに痩せれるんじゃないか?とアドバイス。すると山田は「お、おれってそんなに太ってますか?」と心痛な面持ち。すまん山田。私は酒の勢いを借り、その場がちょっとだけ和めば良いなと軽口を叩いただけで、決してキミを傷つけるつもりはなかったんだ。

大丈夫だ山田。悪天候は去り上天気がやって来る。我々がこってりした餃子で乾杯している間に。

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我々のおにまるクロニクルは下記の通り。心からくだらない部室のようなやりとりばかり。ヒマで死にそうな時に時間つぶしにどうぞ。
  • 2016年7月 ←近日公開。
  • 2016年7月 ←「デブとか絶対にムリ」
  • 2016年5月 ←「俺を殺しにかかってますね」
  • 2016年4月 ←営業日数25のうち8はご来店。
  • 2016年4月 ←からの朝までカラオケ。
  • 2016年3月 ←精彩を欠いている山田さん。
  • 2016年3月 ←美人局。
  • 2016年2月 ←スーパーバイザーの誕生日会。
  • 2016年2月 ←ヒルズ族というのはまやかし。
  • 2016年2月 ←「しゃ、写真を一緒にいいですくゎ?」
  • 2016年1月 ←カンテサンスに1日2度行く女。
  • 2016年1月 ←シューツリーの受け渡しのはずがどうしてこうなった。
  • 2015年9月 ←伝説の○○○○初登場。
  • 2014年5月 ←一番食べた日。
  • 2014年8月 ←イスラエル人が闖入し大騒動
  • 2014年8月 ←初訪問。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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