アンリジローのグラスが1,500円とリーズナブルだったのですが、まあ1杯で済むわけないよねとうことで、ボトル。ロワールの泡なのですが、値段に比して香ばしさが複雑で、素晴らしい味わいでした。シャンパンキラーたる所以ここにあり。
竜安寺石庭のようなプレゼンテーションに鎮座するグジェール。深く考えずに口に放り込むとジュワリと熱く驚きました。豚肉の旨味と脂身を上手に乳化させており先頭打者ホームラン。
「前菜+スープ+肉料理」というコースと、「前菜+スープ+魚料理+肉料理」という2種から選ぶことができます。私は迷い無く後者だったのですが、連れは「えー、あたしゆうべは3時過ぎ記憶無くすまで飲んでたし、食べきれるかなあ」と尻込みしていたので、いいじゃんきっとお魚も美味しいよ、それに3時過ぎはゆうべとは言わないよ、と優しく諭す。
連れの前菜はヤリイカのグリエとブロッコリーのピューレにマッシュルームの泡。わ、おいしそう。私もこっちにすれば良かったかも。
私は野菜のコンポゼ。生産者を明記するほど品質に自信があったのかもしれませんが、大して美味しくありませんでした。あ、右下のチーズの味が濃くて良かったです。
パンはシンプルながら小麦の味をうまく引き出しており好きな味。
ホイップクリームにはレモンの香りをきかせており、ハッとする味わい。いいですね。
イワシやチョリソの燻製、クルトンが敷き詰められたお皿に
カボチャのポタージュをドバっと注ぎ込みます。平静を装っていましたが、スタッフの手元の手元が狂った瞬間を私は見逃しておらず、
このような大盛りスープ増し状態での提供。私は幸せだ。味わいも見事で、カボチャの濃厚な甘さにチョリソの塩気が絶妙にマッチし、イワシの苦味で旨味を引き出す。本日一番のお皿です。
魚料理はアイナメのムニエル。品の良いハーブの香りが鬱葱と茂る一方で、アイナメの身は上質なバターのようにミルキー。ちょっと小麦粉をつけすぎでベチャっと仕上がっているのは減点ですが、満員御礼で厨房がてんてこまいだったからしゃあないか。
連れの肉料理は牛ハラミのグリエ。冒頭に「食べきれるかなあ」と逡巡していた人がオーダーするとは思えない剥き出しの肉塊。玉葱のソースが食欲をそそりますね。
私はラム。ガルニチュールの玉葱の糖度が高く主役を食っています。もちろんラムの味わいも終局にふさわしく、ジュのソースと調和して美味しかった。
温かいガトーショコラは安納芋をたっぷりと含み、ソースも安納芋を用いる。紫芋のアイスはガトーショコラとはベクトルの異なる甘さで二度美味しかった。
コーヒーもばっちり。ごちそうさまでした。
これはいいレストランですね。白金高輪のオフィスビルの単調な外壁に紛れてついうっかり見過ごしてしまいそうなエクステリアですが、中は温かみのある空間で、料理も立派。それほど高くない。勝負に使うお店というわけではありませんが、近所にあると嬉しいレストランです。
バレンタイン前だったので連れからチョコを頂きました。本命チョコだねありがとう、と礼を述べると「それ99割違う」と本気で断られました。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン
- ナリサワ ← 何度訪れても完璧
- フロリレージュ ← 間違いなく世界を狙える
- カンテサンス ←この人にはかなわない
- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←世界を狙える日仏料理
- 北島亭 ←私は大食いでわかりやすい味を好むため当店は黄金センター
- デビッドセニア ←大阪帰る度に絶対行くぞー
- オカモト ←QSCAがしっかりしているのは当然のこと、そんなに高くないのが感動的
- アルシミスト ←こんなに魅力的なプレゼンテーションのブーダンノワールを食べたことがない
- メイ ←ブロートウェアが何ひとつ無い
- Parc ←当店ほどまでに重みのある二ツ星は東京ではなかなか見当たらない
- ラ・ファソン古賀 ← 強烈な個性をテーマに据えるドクトリン