最初にパパドが供されます。塩気が強く独特のスパイス香もあり、素敵な始まり方ですね。パパドが乗せられていたお皿はその後そのまま取り分け皿として使い続けるという、理に適った仕組みです。
「あたしが書いたの。あなたにぴったりでしょ?」と、連れに新年のプレゼントとして書画を頂戴します。素晴らしい。我が家のVIP席に飾らねば。
当店のスペシャリテを一通り楽しめるコースもあったのですが、私も連れもインドに行ったことがあり、注文センスは悪くないはずということでアラカルトにチャレンジ。まずはサモサから。
うわお!これ超美味しい!旨味が生き物のように飛び出てくる!今までの人生でサモサは累計50個程食べているはずですが、その中でも突出してレベルが高いです。我が心のサモサランキング1位決定。これは今後の展開を期待せざるを得ない。
タンドリーミックス。ぞ、草履のように大きい。。。しかもそれぞれに刺すような辛さがあり、ハンカチが絞れるほど汗をかきました。真冬だというのにシャツ1枚になってもへいちゃら。左上のタレみたいなのが輪をかけて辛く、血圧急上昇です。なのですが、うまいんだなこれが。辛さの奥底に複雑な香りが広がり肉の味わいを高次元なものに昇華させています。
ちなみに冒頭のカレー女子とBBQやるときは、チキンのヨーグルトやらスパイスやら漬けを持ってきてくれるので、それを焼いて食べるのが最高なの。
豆のカレー。結構な量のお豆さんが入っておりボリューム満点。しかもこれがまた辛く、複雑で、旨い。先ほどのタンドリーミックスと味のベクトルは同じです。
ガーリックナン。バターとニンニクの薫り高い塊を千切って口の中に放り込む。辛さが中和されほっと一息。チキンやカレーの辛さをコントロールするのに最適です。
ルソイバターチキンカレー。店名を冠しているのでさぞや自慢の逸品なんでしょうと口に運ぶと、これがまたコクと旨味に溢れて素晴らしいの一言。しかも甘味と辛味と香りの広がりとバランスが完全無欠。このカレーには無限の味わい、すなわち宇宙がある。本当に美味しかった。
カブリナン。何の中にナッツやドライフルーツ、ココナツやチーズなどが練りこまれているもの。
雪景色のように広がるチーズ。ほんのりと甘く、先述のバターチキンカレーに絶妙にマッチ。いやあ、プレーンのナンだけでなく、こういうお遊び系も試して良かった良かった。
サモサと豆の膨張により胃袋がはち切れそうになり、タンドリーミックスとナンは食べきれず。おそるおそるお店の方に持ち帰れるかと尋ねると「ワカリマシタ!」と快諾。
丁寧に包装して下さり、しかもこんなに立派な紙袋まで。よくよく店内を伺うと、中で食べるだけでなくナンやサモサ、タンドールでの焼き物などをテイクアウトしていく人が結構します。ここまでご近所さんに信用されているのであれば、間違いないですね。
素晴らしいお店でした。首都圏のカレーであれば検見川のシタールが一番と信じていたのに、アクセスの良さや行列のなさを考えれば、当店のほうが使えるかもしれません。
料理人の手際が良すぎるので、注文すると一気に料理が到着してしまうのが玉に瑕。辛い辛いと悶絶しているとあっという間にテーブル上が渋滞してしまうのですが、それは今度から少しづつ注文すれば良いだけの話。ああ、すぐにまた行きたくなってきちゃった。
31日だったので、デザートはバスキンロビンスへ。「あたし、31大好き」。そりゃあ31なんて誰でも好きだよ、と言いかけたところ、ロッキーロードでしょ、ベリーベリーストロベリーでしょ、ポッピングシャワーでしょ、キャラメルリボンでしょ…、とフレーバーをスラスラとそらで述べ始める。「あ、あたし商品券持ってるからごちそうしてあげる!」うむ、キミは確かに本物のバスキンロビンス芸人だ。
わかり易く安心する味わいで心から落ち着けました。ふと店内および行列を眺めると、そこに居るのは大人ばっかり。私の子供の頃って、あんまり大人がスイーツとかに萌えている姿を見た記憶がなかったのですが、最近は大人のほうが熱狂していますよね。全般的に味覚のロリコン化が進んでいるのかもしれません、私を含めて。
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カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。
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- ラ・ファソン古賀/代々木上原 ←予約必須。欧風カレーの最高峰。
- ミシュラン星付きレストランを200軒食べ歩いた私が成城石井でいつも買うもの ←お惣菜カレーではトップクラス。
- ケンゾーエステイトワイナリー /六本木 ←野菜が溶け込み甘さを感じる一方で、きちんとスパイスが立っている本格派。
- 香妃園/六本木 ←六本木で遊ぶのに知らないのはモグり。
- ルソイ/目黒 ←インドやスリランカまでスパイスを買い付けに行くカレーマニアが太鼓判。
- 東洋軒/赤坂見附 ←和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆るブラックカレー。
- 印度料理シタール/検見川 ←千葉の僻地で大行列の超有名カレー屋。
- ウルトラチョップ/麻布十番 ←ごはんで食べないカレー。おかわりするレベル。
- コチンニヴァース/西新宿五丁目 ←「なぜここに?」と住宅街に突如現れる本格派。
カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!