メゾン ポール・ボキューズ／代官山

3ヶ月前から予定していたお食事会。今夜は飲むぞと天に誓っての参加。名古屋のセカンドラインには今年の2月にお邪魔しましたが、旗艦の当店に来るのは実に4年ぶり。

待ち合わせ場所のツタヤへ向かうと、ファミマのイートインスペースに腰をかけ牛乳を飲んでいる連れを発見。『酒を飲む前に牛乳を飲んでおくと悪酔いや二日酔いを防げる』という通説を実践して臨むとは、こちらとしても身の引き締まる思いである。
ひらまつ系の良いお店に行くとこれが出てくるのが嬉しい。好きなんです。もうひとりの連れから「今向かってます！バーで待っていただくか、先に始めてもらうか…お任せします。」というメッセージが届きましたが心配御無用。その時すでに4杯目へ突入済み。「あたしゆうべは4時まで飲んでてさ。今日は起きてから何も食べてないんだよね」彼女の体もワインでできている。
 アヴァンアミューズは左からグジェール（チーズを混ぜたシュー皮）と野菜スティックとプティサレ（豚の塩漬け）の何か。遅れて到着した連れには提供されず、我々（私と牛乳）のみ楽しんでしまい申し訳ないです。
 アミューズはなんだっけ？全く記憶に残ってないので大したことなかったのでしょう。見た目もちょっとダサいし、うーん。「ここ来るの初めてなんだけど、こういう料理なんだ」ほほうキミはポール・ボキューズ初めてかね、そうだよねキミはまだ若いもんね、ういやつじゃ。「リヨンの本店しか行ったことないからなあ。あ、ポールとも話したよ」orz。
 パンは一般的なパンなのですが、
 バターがエシレなのは喜ばしい。成城石井なら500円やで。
 トリュフの風味をきかせたフォアグラにセップ茸。結婚披露宴のような料理ではありますが、フォアグラそのものの味わいは愛おしく、またチーズをカリっとさせたチップス（？）の響きも上々で、満足できました。
 なんだか最近コチラにあたることが多い。私は飲んだワインを毎夜Excelに残している記録魔なのですが、当該記録を確認したところ今年だけで5本目です。
 舌平目と帆立貝のムース。こちらも宴会料理で見かけはダサい。だがしかし侮るなかれ、身は厚く、味付けも堂に入っており、個人的にはすごく好き。パスタに火が通り過ぎているのは減点。
 牛フィレ肉のポワレ。盛り付けとガロニは全然イケてませんが、お肉そのものとソースは秀逸。
 肉とソースの余韻を舌先に充分とどめつつ、ワインで口腔内を洗浄し胃に落とし込む。このプロセスには中毒性がありますね。酒飲みって人生得してるよなあ。
 チョコレートケーキ（？）と洋ナシ、ピスタチオのアイスクリーム。どれもこれも味が濃い。直球勝負味を好む私としては大変満足できました。ただ、連れは「重たすぎ」との評価だったので、まあ、そういうお皿です。
 デセールに比肩するほどの甘さ。足し算に足し算を重ねた味わい。
 焼き菓子は凡庸ですが、チョコが小菓子で出される割には滅法旨い。

楽しい食事会でした。きちんとしたレストランには2人でお邪魔してかしこまって食事することが多いのですが、人数を増やしてワイワイ楽しく食べるのも格別ですね。男4人のひらまつは賑やかな会話が尽きず最高の思い出となっているので、今度は10人規模でチャレンジしたい。「それならロブションの個室だよね」と発想に高級感があるなあ牛乳は。

「最近ロブションいつ行った？あたしは3年前に行って嫌な思いをして、それっきり。フレンチ行こうって誘ってきたのに、そいつが真っ先に一番安いコース選んでさ。そんなの遠慮しちゃうじゃん？しかもグラスで2杯しか飲まないわけ。もうずっとやるせなくってさ。私自分で払うから好きなの頼んでいい？っていつ言うかずっとずっと気を使わなきゃいけない食事だったの。ずっとよ」心当たりのある男性は海よりも深く反省するように。

もうひとりがケータイを触りながら「あ、妻に今夜は遅くなる、もしくは帰らないって送ってます」と、この時点で深酒内定。今夜も長くなりそうだ。

関連記事
ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。



関連ランキング：フレンチ | 代官山駅、中目黒駅、神泉駅