東京食肉市場まつり/品川

品川インターシティの裏手に大きな食肉市場があって、一年に一度だけ、一般客が参加可能なお祭が開催されます。
数年前に一度だけお邪魔したことがあって、なんとも牧歌的な雰囲気で、のんびりと試食やら買い物やらを楽しめた印象。この日は特に予定が無かったので、夜は家ですき焼きでも食べよう、肉をたっぷり買い込むかと品川へ。
到着してびっくり。とんでもない人出。すぐに入場することができず、数百メートル先からチンタラ列をなしています。
入場してからもゲンナリ。トンカツやモツ煮、しゃぶしゃぶの試食があるのですが、そのいずれもが1時間近くは並ぶであろう行列の長さ。客層も「無料だぜ肉だぜウッシッシ」のような人々が多く殺伐とした雰囲気でちょっと怖い。
もういいやパっと肉買って帰ろう、と思っても、販売コーナーも人でごった返しており、
場違いなショッピングモールに来てしまったかのような既視感。なんだかずいぶんとイベントの雰囲気が変わっちゃったなあ。この空間に居てもストレスしか得るものは無いので、自衛するためにもさっさと会場を後にする。
しかし連れは「え?あたしの肉な気分はどうしてくれるわけ?肉って言ったじゃん。今日は肉だって言ったよね? Didn't you ?」と追い込みが激しいので、TYで好きなだけお肉食べなという落とし所で勘弁してもらう。
予約はしていませんでしたが、開店と同時に入店したので運よくテラス席に滑り込むことができました。
私はペールエールのLサイズ。連れはウィートエールのSサイズ。これまではテイスティングメニューと銘打って、4種のビールがミニサイズで提供されるセットがあったのですが、メニューから落ちていました。
肉だ肉だ、と喜ぶ連れ。ああ、よっぽど肉、食べたかったんだな。
私はダブルバーガー。あ、私もよっぽど肉、食べたかったみたい。パティは170gが2枚。250gが2枚のメガバーガーと悩みましたが、冷静に考えると1ポンド超えは惨たらしい。しかも前夜はナリサワでフィーバーしてきたばかりである。
野菜を挟みナプキンで包んで口に近づけると想像以上の迫力。元来小顔の私と比べると、どちらが食べられるのかがわからなくなってしまいます。顎が外れそうや。
さあビールのメニューを上から順番に制覇していくかと意気込んでいたところ、店員さんが「あ、テイスティングセット、メニューには載せてないですけど、できますよ!ペールエールとウィートエール、アンバーエールとスタウトの4種です」と素晴らしいご提案をして下さいました。こいつら片っ端から飲むつもりだなと胸中が見透かされたようで少々恥ずかしくもある。

あ、そーなんですか。それじゃ、ペールエールとウィートエールはもう飲んじゃったから、他の種類が入るようにうまくやって下さい、とお願いすると店員さんは快諾。

「そういう厚かましいお願いを爽やかに要求できる能力、尊敬するわ」と、連れ。全然厚かましくないよ店員さんだって僕に楽しんでもらおうと思ってるんだから当然だよ、と反論すると「そういう所が厚かましいって言ってんの」。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。