ワインをめぐる冒険 vol.9~シャンパーニュメゾン巡り~

この度の旅行は予定を詰め込みすぎました。クルーズだとホテルごと移動するようなものなので数カ国周っても疲れを感じませんが、今回は陸路移動がいくつかあると言えどもフランス1国のみなので、まあ大丈夫だろうと高をくくっていたのが甘かった。やはり連日のヘビィな食事には敵わずグッタリ。

本日は3軒のメゾンを巡る予定だったのですが、急遽、朝は起きるまで寝ることとし、結果的に9:30からお邪魔する予定のテタンジェをパスすることとなりました。予約しておらず誰にも迷惑をかけることは無いので、まあ良しとしましょう。
といわけで、10時近くまでたっぷり睡眠をとり充電完了。タクシーを呼んでもらって一路ポメリーへ。

運転手が20代前半で若く角田信朗のような体躯で何となく嫌だ。しかも途中入り込んだ路地が工事中でUターンを余儀なくされ、狭い路地であったため車の後ろをぶつけてしまい角田のイライラ度は120%。露骨に舌打ちやため息を連発するようになったので、「オマエ道間違えたんだから少しまけろよ」とはさすがに言えそうにない。
到着直前、角田のケータイが鳴り響きナビ画面に表示(どういう仕組みかわかりませんが、ケータイと連動している車が多い)された発信者の名前が「Papa」。なんてかわいいやつなんだ。

結局、角田は「道間違えてすまんかった」と自発的に安くしてくれ、Papaの件といい、東京の飲み屋で出会えたら肩を組んで仲良くなれたかもしれません。
さてポメリー。ここは何だかテーマパークみたいですね。ボルドーのシャトーも観光客馴れしてはいましたが、ポメリーはその上を行く。ガイドはワイン造りとは何の関係もないプロの外注ガイドではなかろうか。システマティックではありますが、少々味気ないツアーです。
同じツアーに日本人がいました。50過ぎの夫婦。旦那さんがギラついた雰囲気で肩からカーディガンをかけていたのでテレ朝のプロデューサーみたいだなあ同伴者も派手だし愛人かなあと思案していると、「何言ってんの。全然美人じゃないじゃない。あれはどう考えても正妻よ」と連れの毒舌ここに極まれり。
打つ前のコルク。円柱系。これを瓶に無理やり押し込むとマッシュルーム型となるのです。
地下蔵(カーブ)へ潜る。こんなに階段を降りるのです。
カーブは通年10℃前後、湿度70%に自然と保たれているので、常にひんやりジメジメしっとりしています。コケやカビが生えています。
その長さは数キロにも及ぶ。これだけの地下要塞が実現できるのだから、ジオフロント計画も夢じゃない。
ポメリーのカーブには200億本ものボトルが眠っているらしいです。ほんまかいな。
ウワサのピュピトル。澱を瓶の先端に集めます。
ワインの造り方よりも、ガイドが彫刻やらアートやらの話に脱線しがちなのは頂けない。私は美術館に来たのではなく、酒蔵を見学に来たのである。
お宝ゾーン。ここだけで億単位の取引になりそう。
試飲。日本のビール工場などでは試飲は無料ですが、フランスの酒蔵ではお金を取る所がほとんど。とは言え、レストランなどで飲むよりは割安なので、ポメリーの中でもええやつを頂きました。
おおお何ともコクがある。好きか嫌いかはさておき、ええやつであることはわかりました。
さてランチ。ポメリーのお隣さんのBoyer-Les Crayeres(ボワイエ・レ・クレイエール)というホテルにあるメインダイニング、Le Parc(ル・パルク)へ。ミシュラン2ツ星。詳細は別記事にて。
食後に訪れた藤田教会は酷かった。ちっぽけな教会で、外から内部を伺うことができるのに4ユーロも徴収する。私がマーク・ザッカーバーグ級の大金持ちであっても支払うことはないでしょう。
ロデレール。ランスの街中には有名メゾンがゴロゴロあります。
マムへ。
当メゾンはコンクリートタンクでの白ワインづくりから説明を始めてくれたので、シャンパーニュへの愛を感じました。澱を英語で「デポジット」と言うのですね。何か変な感じ。
地下に降りるとポメリーと似たような感じ。それにしても不思議な街だ。地下要塞。新宿ダンジョンに続いてシャンパーニュダンジョンも作ると面白いかもしれないですね。
「いやー今日は感銘を受けた。初めてのメゾンだったけど最高だったよ」と隣のアメリカ人はまた適当なことを言う。本音と建前トークはアメリカ人が世界一ですね。
テイスティング。
チャラついてなくてしっかりとしたメゾンだという印象。鎌倉へのグリーン車での愉しみ方は間違っていなかった。
見学後は街中を散策。まずはランスの大聖堂へ。残念ながら改修中なので
側面のほうがかっこよかったりする。
ステンドグラスはシャガールの作品。言われないとわからない。いや言われてもわからない。
ランスの目抜き通りへ。みんなテラスでビールを飲んでいて楽しそう。ヨーロッパの都市はこういうことが当然にできるのがいいですね。日本にはこのようなスペースがないからビアガーデンという商売が成り立ち、ひいては凄惨な込み具合を呈するのでしょう。
モノプリ(スーパーマーケット)でお買い物。こちらの人はレジがどれだけ混んでいたとしても苛つかない。したがってとんでもなく混雑する。成城石井のレジ回し(一人がレジ打ち、もう一人が袋詰め)を見習いなさい。
今回の旅行、最後のディナーは地元の魚屋さんが経営するレストランへ。英語が全く通じず最後の最後で最高難度。


「ワインをめぐる冒険」シリーズ目次

このシリーズは間違いなく名著。一般的なガイドブックと全く観点が異なり、完璧にワインラヴァーを向いています。ワインがテーマのフランス旅行においては必携!


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