ワインをめぐる冒険 vol.7~ボルドー市街地観光~

ボルドーのシャトー巡りも終わりに近づいた頃、連れが「あたしはスイーツが食べたいスイーツが食べたいあうあう」と暴れだしたので、ガイドに手近な店を紹介してもらう。
「ボルドーといったらやっぱりカヌレですかね。名店!ってのは無くて、誰もが認めるチェーン店のがまあまあ美味しかったりするのですが。。。ええ、どこにでもある店です」と、近くだとこのショッピングモールにあるとのこと。
『Canelés Baillardran』。たしかにチェーン臭漂う店構え。「ヴァニラ&ラム味がオススメです」とも情報を得ていたので迷わずそれを注文すると残念ながら売り切れ。いきり立った連れは英語のできない店員を英語で問い詰め、気迫でどこの店舗になら残っているのかを聞き出す。人間いざとなれば言語など関係ないのである。
先ほどの店舗から10分弱歩いた場所に位置する同チェーンの店舗へ。聞き分けの無い子供に付き添いビックリマンチョコを捜し求めコンビニを徘徊する父親の気分である。
なるほど確かに美味しい。今回のフランス旅行においてカヌレはいくつか食べましたが、当店のそれが最もレベルが高かった。チェーン店だからといって敬遠するのは良くないですね。
次は「マカロンマカロンマカロン食べたいあうあう」とのこと。ガイドは「ボ、ボルドーはマカロンで有名なわけじゃないんですけど。。。わかりました。おかず系マカロンで有名な、変り種のお店はあります」とのことで紹介頂いたのがこお店『M Le Macaron』。
奥がフランボワーズなどOL女子大生系、手前がチーズや野菜など酒飲み系のフレーバーです。
タプナード(オリーブとアンチョビ)、○○チーズ(忘れた)、アボカド、ロックフォール(青カビ)を購入。街を歩きながら買い食いです。歯ざわりがイマイチで奇抜なだけ。レストランの突き出しで出るなら悪くはないけれど、うーん。。。
カヌレとマカロンで満足したのか連れがおとなしくなったので、私の高尚な趣味である世界遺産巡り、すなわち大聖堂の見学へ。一言であらわすと威風堂々。かっちょええ。
もはや観光名所のひとつとなっている高級ワインショップの『L'INTENDANT(ランタンダン)』。土地面積自体は小さいものの上へ高く高く伸びており螺旋階段が面白い。上階に行けば行くほどワインの価格も上がるという陳列は人間の性なのかもしれません。
日本から持ってきたドレスシャツの枚数を間違えていたことに気づいたので、ギャラリーラファイエットで追加購入。セール時期だったので適当に1枚レジに持って行くと驚きの150ユーロ。これはセール対象外とのことだったのであわててキャンセルし、その隣の30ユーロのものに変更。10年前であればカッコつけてそのまま買っていただろうに、私も図太くなったものである。
ラーメン屋が人気で行列ができていました。嬉しいですねこういうの。
レストランのオープンまで少し時間があったので、ジロンド川沿いをブラブラ。ジロンド川はワインラヴァーにとっては誰もが思い入れのある川の名前なのですが、実際に見てみると水がとても濁っていて、チャオプラヤー川と大差なく夢が打ち砕かれました。

水鏡で子供が遊んでいるのが楽しそう。この辺りは山下公園のような雰囲気なのですが、平日夜にいい大人がダラダラしているのは面白いですね。

そういえば、スーツ姿の人をあまり見かけない。ガイドに聞いたところ、「スーツを着ているのは銀行員か保険屋かワイン商。ワイン商は一目でわかるほどのバリバリのスーツが多い。特殊な職業で、他の商社からの転職組や、ビジネススクールからの再就職組が多く、超エリート」とのことでした。

また、ボルドーのワイナリーのせがれは地元の農業高校を卒業し、ボルドー大学の醸造学部で学位を取得したら、しばらく世界放浪の旅に出ることが多いとのこと。アメリカやチリ、オーストラリアで遊び半分にワインづくりを手伝って、親父さんが引退を考え始めると、再びこの地に戻って来るんですって。東京の価値観と大きく違う。是非はわからないし、今までの私の生き様は割と気に入っているけれど、そういう生き方も楽しそうだなあ。
さて、夕食は本日のメインイベント、ミシュラン一ツ星、『Gabriel(ガブリエル)』へ。

「ワインをめぐる冒険」シリーズ目次

このシリーズは間違いなく名著。一般的なガイドブックと全く観点が異なり、完璧にワインラヴァーを向いています。ワインがテーマのフランス旅行においては必携!


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