Le Bistrot du Sommelier/ボルドー

必死の思いで辿りついたレストラン、Le bistrot du sommelier(ル・ビストロ・ドゥ・ソムリエ)。ワイン関係者の間では結構有名だったりします。
同名のレストランがシンガポールにあり、間違えてそちらを予約してしまっていたことを直前に気づいたのはご愛嬌。
テラス席が気持ちよい。ちなみに私の写真に客が全然写っていないのは、私が常に開店直後に入店しているからです。それでも20時なんですけどね。フランス人は21時前後にレストランに入り、23時過ぎまでのんびり食事をしている人が多い。東京のレストランのように2回転させようという意識は無さそうで、ある意味健全。
うがが、フランス語だらけだ。所々の食材名しかわからねえ。
ワインは東京の約半額とお手頃。
私の数少ない仏語ボキャブラリーから自信を持って注文できたフォアグラ。しかし味わいは尋常であり、今あなたが想像しているフォアグラのテリーヌそのものの味である。
連れも自信を持って注文したのはガスパチョ。「なぜフランスにまで来てスペイン料理を食べるんだ」などと感じたままのことを言うと諍いの火種となりかねないので沈黙を貫く。すると彼女も黙々と食べ進めるだけだったので、結果、可もなく不可もなくな味なのでしょう。「ほれ見たことか」などと感じたままのことを言うと諍いの火種となりかねないので沈黙を貫く。
家禽の南西風ロースト。「家禽」が理解できるとは私の仏語も大したものである。私の味覚が確かならば鶏肉であったはず。味は俺のフレンチレベルです。
フライドポテトはいつだって美味しい。フランス人はアメリカ人以上にジャガイモを食べるのではないでしょうか?アメリカ人がフライドポテトのことをフレンチフライと呼ぶ理由が少しだけわかった気がします。

ところでイラク戦争の際、加担を拒否したフランスにアメリカが腹を立て、突如フリーダムフライと呼び始めたことにつき、なんと愉快な人々なんだろうと感心したことを思い出しました。
連れはサーモン。ここにおいても「キミはサーモンぐらいしか単語がわからなかったのかい?」などと感じたままのことを言うと諍いの火種となりかねないので沈黙を貫く。私も大人になったものである。

英語がほとんど通じず仏語力が試されるレストランでした。裏を返せば、レストランで店員と高度な会話などする必要はなく、知っている食材の単語さえ指差せばそれが出てくるので、最初の第一歩さえ踏み出せば意外にハードルは低いのかもしれません。

嬉しいのは、とにかくリーズナブルであること。前菜とメインだけに留めれば、お酒抜きで20ユーロに収まります。20歳前後の若いカップルが酒を飲まずに食事だけを楽しんでいる、これだけ雰囲気の良いレストランで2人で5、6千円で収まるのは奇跡。おすすめです。


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