麻婆豆腐。最近はナポレオンフィッシュのように醗酵調味料を多用して複雑性を高め、花山椒でビリビリとキメてくる麻婆豆腐が続いていたのですが、当店の麻婆豆腐は唐辛子でガツンと直線的に攻めてきて、ある意味新鮮でした。ドーンときてガシャーンとやられる感覚に近い。また、豆腐をグズグズにつぶしているため、密度が増してより液体に近くなり、見た目よりもボリュームがあるように感じます。
紅焼牛肉。当店のスペシャリテ。まず香るは八角。一瞬甘みを感じるのですが、あとからジワジワと侵食してくる辛さ。気づいたら汗だくに。不思議な料理です。ビールとごはん必携。
油淋鶏を半身で。「お時間かかりますが」と言われてはいたものの、10分程で到着。そう、当店は皿出しが異常に早い。これまで食べたことのある油淋鶏は、鶏のから揚げに甘いタレをかけておしまい、的なものばかりでした。しかし当店のそれは鶏を丸々揚げたものであり、味付けはごくごく薄め。肉をガッツリと食べている感満載です。気に入った。
印象的な皿が多く、味も良い。値段も安い。良いお店です。ただし店の雰囲気は場末の中華料理屋そのものなので、デートとかは少し違うかも。
食後、私と連れの2人とも強烈な眠気に襲われ、数時間眠りこけてしまいました。MSGのような舌ヒリヒリ感は無いのですが、眠気を誘う不思議な何かがここにあります。また、とってもお辛いので、当然に胃腸にダメージは来るよん。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。