もちろん高級レストランに限らず、そこらへんのバルのレベルも異常に高い。もともと山の幸と海の幸に恵まれた地域で、フランスとの国境にも位置しており、美食へと流れていくのは必然だったのかもしれません。
加えて比較的に女性の地位が高い地域らしく、いきおい外食がちとなり、外食産業が活発になり、そこへヌエバ・コッシーナのエッセンスが加わり美食が大爆発したんですって。
ヌエバ・コッシーナとは「新料理」。フランス料理でいうヌーベル・キュイジーヌや中華料理のヌーベル・シノワと概念は同じです。
もともと料理というものは職人芸であり、徒弟制度のもと皿洗いから始まり「技はシェフのもとで丁稚奉公しながら盗んでいけ」というのが暗黙の了解。したがって、料理に係るテクノロジーが一子相伝的となり、何かと何かを掛け合わせた革命、すなわちiPhone的などこにでもある技術を組み合わせたら大ヒットしちゃった系が産まれづらい分野だったのです。
しかしバスクの料理人たちはそのようなスタンスに疑問を持ち、「食のオープンソース化」を進め、互いのレシピや技術を教え合い始めます。そう、シリコンバレーにおいて互いのテクノロジーを見せ合い、協働あるいは競争し、結果的に全体のレベルが上がっちゃったのと同じ。
ASTORIA 7というホテルにチェックインした後に、ALEXという旧市街の南にあるバルで小腹を満たしてから旧市街へ。
20時30分。太陽も沈みかかり、どこからともなく人々が旧市街に繰り出し始めます。
何かのお祭り期間だったのか、ものすごい人出。まるで先日のクラブのよう。面白いのは皆の目的が食であること。
意外と寿司バルやったらウケるんじゃね?と話していたところ、先を越されました。しかしあまり賑わっておらず。
店に入りきらない人々は、店外で座り込み、飲み食いしています。教会の階段とかで平気に飲食してる。
広場ではちょっとしたステージが。
写真を撮っていると、原住民にからまれる。私の怪しい西語によると「日本の皇帝のヒロ・イトウとアキ・イトウが俺の地元のガリシア地方に来たから君も来るといい」とのこと。昭和天皇と今上天皇のことかなあ。
22:45から花火。ってか開始時刻、遅いよね。
犬たちは音にビビりまくっていました。かわいらしい。
結局、ALEX、ATARI、TAMBORILの3軒をハシゴ。ちなみにサン・セバスティアンでハシゴをすることは特殊なことではなく、むしろあたりまえの行為。地元の人はハシゴをすることを「ポテオ」と言い、1軒につき酒は1杯、ピンチョスは2つまでに抑え、お気に入りのルートで複数軒、日々バル巡りをするのです。
「イビサとバスク」シリーズ目次
下から上に向かっています。レストランの記事が多いですが、殆どが写真です。
- イビサとバスク/vol.9
- ASADOR DE LUGO/Sants(Barcelona)
- AKELARE/San Sebastián郊外
- BAZTAN/旧市街(San Sebastián)
- GANBARA/旧市街(San Sebastián)
- BETI-JAI/旧市街(San Sebastián)
- GORRITI/旧市街(San Sebastián)
- Mugaritz/San Sebastián郊外
- イビサとバスク/vol.8
- A FUEGO NEGRO/旧市街(San Sebastián)
- ZERUKO/旧市街(San Sebastián)
- BERGARA/Gloss(San Sebastián)
- ARZAK/San Sebastián
- Bar Andiaran/旧市街(San Sebastián)
- イビサとバスク/vol.7
- TAMBORIL/旧市街(San Sebastián)
- ATARI/旧市街(San Sebastián)
- ALEX/旧市街の南(San Sebastián)
- ASTORIA 7/San Sebastián
- イビサとバスク/vol.6
- GAU-TXORI/旧市街(Bilbao)
- ZAZPI BIDE/旧市街(Bilbao)
- イビサとバスク/vol.5
- Amnesia/Ibiza
- Can Salines/Salines(Ibiza)
- イビサとバスク/vol.4
- PACHA/Ibiza
- Formentera RESTAURANT/Ibiza Town
- イビサとバスク/vol.3
- Le mesturet/Bourse(Paris)
- Le Clos Bourguignon/Opera (Paris)
- イビサとバスク/vol.2
- ANA NRT-CDG 食事
- イビサとバスク/vol.1
関連記事
旅行が好きです。油断するとすぐに旅に出ます。楽しかった大型旅行の先頭記事をまとめました。リンクに飛んでから、順々に次 のページをめくって頂ければ幸いです。
- 香港vol.1~成田第3ターミナル という秘境~ ←美人ソムリエールふたりとの珍道中
- 北米西海岸 vol.1~ホンクーバー ~ ←ナパの葡萄畑で眠るワイン旅行
- スイス vol.1~氷点下キャンプフ ァイヤー~ ←スイス航空様ご招待のタダ旅行
- パラオ ダイビング クルーズ vol.1~デルタのビジネスクラスwww~ ←ヒルズ族がクルーザーをM&Aした話
- ワインをめぐる冒険 vol.1~ギャ ラリーラファイエット~ ←ボルドー・シャンパーニュでワインに溺れる旅
- 小笠原諸島 vol.1~おがさわら丸 ~ ←船でしか行けない東京都でイルカと暮らす
- 屋久島 vol.1 ←縄 文杉?ハァ?
- 飛騨高山・白川郷そして SKE48 vol.1 ←白川郷は中国人だらけな旅
- イビサとバスク/ vol.1 ←パーリーピーポーと美食家の共存
- カリブ海クルーズ vol.1~プレミ アムエコノミー~ ←カリブ海の島々を船で巡る
- アマンジオ/ジョグジャカルタ vol.1 ←「アマンジャンキー」発生!
- ザ・ウィンザーホテル洞爺リ ゾート&スパ/洞爺湖 vol.1 ←日本でも本気の美食旅。
- 最も効率よくダイブマスターに なる vol.01 ←年間10回は沖縄へ行きます。
- 北欧クルーズvol.01~ロンドン ~ ←北欧を船で巡り最先端の美食に舌鼓。
- 地中海・エーゲ海クルーズ vol.01 ←2週間かけて地中海のイケてる都市を巡る。
- BIER REISE'09 vol.01 ←ドイツ中欧ビール紀行。
- カリフォルニア vol.01 ←西海岸と思いきやメキシコまで足を伸ばしちゃうもんね。
- ハワイ vol.1 ←ハ ワイで生まれ育った人とハワイを旅する記憶。