サンパウ/日本橋

カルメ・ルスカイェーダ。世界で最も有名な女性シェフ。バルセロナ近郊のサン・ポル・デ・マルという街で「サンパウ」というレストランを開き、三ツ星です。

世界で唯一の支店はここ日本橋にあり、ミシュラン二ツ星。日本で最も高価なスペイン料理。毎日スペイン本店と打合せをし、現地の食材や希少な調味料なども特別に輸入しているとのこと。
お米の何かを揚げたおせんべいみたいなの。東南アジアのエビのアレに似ています。ピンク色はハイビスカス、白は忘れちゃった。
タコを茹でて酢でどうにかしてパプリカ。印象なし。
タラとブラックオリーブを包んだもの。こんなに小さなポーションなのに、きちんとアツアツなのはすごい。なんてジャストインタイム。
カボチャとパプリカのクッキー。小さ過ぎて味がわからん。
そば粉の皮でタイのマリネを包む。美味しいですが驚きもありません。そうあなたが今想像している味とほぼ同じ。
車エビとホタテをお団子にしたものにトマトのスープを。非常に上品。特にトマトのスープ。垢抜けていて、繊細で、率直。さすがだなぁと唸ってしまう。
パンは標準的なのですが、オリーブオイルと塩が秀逸。香り豊かでバクバク食べちゃいました。
スズキを低温で調理したもの。味は悪くないのですが、2皿連続でテーブルでのソース後がけはちょっと芸が無いと思います。色合いも寂しいし、単調。間違いなく旨いんだけれども、全てが悪い意味でシンプル。
メインは仔羊。これも、どこかで食べた味なんですよ。私はモダンスパニッシュを期待していたのに、これぐらいの皿、都内のフレンチなら100店は出しているのでは無いのでしょうか。

スペイン料理は調理のバリエーションが尠少で、肉といったら丸焼きか煮込むしかなくて、肉単体で調理した上で別に仕立てたソースをあわせるという概念に乏しくて、だけれどもそこを分子調理やらなんやらの新鋭が突き刺していってモダンスパニッシュ!というストーリーが私の中にはあったのに、それなのに何よこのフレンチに迎合するような皿。哲学が何も感じられない、くだらない料理です。これがミシュラン二ツ星のメインディッシュか。ムカついた。
口直しにイチゴに白ワインのゼリー。普通。
パイナップルケーキにミントのアイス、ココナッツ。パイナップルケーキが意外に良かった。
ここから10種類のプチフール。まずはピルレタ。アイスキャンディー。
一番テンションがあがる。私って女子力高いですね。12時から時計回りにホワイトチョコのクランチ、フィナンシェ、クリーミーチョコレート、チーズケーキ、抹茶のガナッシュ、バジルのマカロン、ニンジンのビスコッチョ、中央はプリン。
最も異彩を放っていた海苔とカカオ。これが意外と合う。唯一センスを感じた一口でした。
エスプレッソは非常にレベル高い。本日一番の皿。

正直ガッカリでした。いや、間違いなくどの皿も美味しいですよ。ただ、価格とか、二ツ星とか、経歴とかを加味すると全くの期待はずれです。驚きがどこにも無い。ミシュランで星をとって、かつ、何万円も請求するのであれば、ただ単に美味しいだけじゃ全然ダメですよ、という好例。ベースの実力は感じられたので、もうちょい頑張って欲しいところ。


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これは名著!なぜスペイン料理が料理界を席巻したのかが手に取るようにわかります。日本が観光立国となる手がかりも随所に散りばめられており、高城剛って懐が深いなとシミジミ。