食品偽装問題についてザ・リッツ・カールトン大阪に直接聴いてみたでござる vol.1

前回の「食品偽装問題についてザ・ウィンザーホテル洞爺に直接聴いてみたでござる」は、思いのほか好評でした。やはり盛り上がっています、偽装問題。

さて今回は、食品偽装問題の口火を切った、ザ・リッツ・カールトン大阪に突撃です。
と、こんな具合に報道がされていますが、一番ひいたのはこの言い訳、
「偽装ではなく、誤表示」、、、言葉遊びじゃないんだから、これはいかんでしょう。でも、あの名門がこんなバカ丸出しの説明を本当にしたのかなあ。
トップページには「偽装してゴメンナサイ」的な記載は見当たらず。「イベント」を開いてみても、やはり載っていない（←あたりまえ）。あれれ？と思ってもう一度トップページを確認すると、小さな文字で、「お客様窓口開設のお知らせ」。これかな。
開いてみると、やはりそうでした。ただ、ウィンザーホテルに比べると、ビジネスライクな書きっぷり。詳細は読んでも良くわからない。問題があった人はとりあえず連絡くれというスタンスです。

メール、FAX、電話の3通りの問い合わせ方法があるのですが、電話の受付が「受付：月曜～金曜日 午前10時～午後6時30分」と、やや不親切。

ちなみに私が利用したレストランは
・ラベ
・香桃
・花筐
・スプレンディード
・ザバー
・結婚式披露宴
です。

以下のメールを指定されたアドレスへ送信！
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お客様窓口　ご担当者様


お世話になります、○○と申します。
貴館における食品偽装問題につき、ご相談させてください。

2009年から2010年にかけて、以下を利用させて頂きました。
・ラベ
・香桃
・花筐
・スプレンディード
・ザバー
・結婚式披露宴

報道にある通り、やはり食品偽装が行われていたのでしょうか？
少なくとも香桃では「芝エビ」を食べた記憶があり、暗い気持ちに沈んでいます。

具体的にどのレストランで、どの食品が偽装されていたかを列挙して頂き、
どのような経緯で偽装が行われたのか、今後偽装が行われないことを担保する施策についてご説明頂きたいと思います。

私は大阪府出身であり、関西のホテルでは貴館が一番と、昔から信じて疑っておりませんでした。
そのため、結婚披露宴も貴館で挙げさせて頂きましたし、
帰省の機会があれば極力貴館を利用させて頂いております。

貴館の心あたたまるサービスには毎回非常に満足しているだけに、
食品偽装など、つまらない理由でがっかりしたくはありません。
再び気持ちよく利用させて頂くために、納得のいくご説明をお願いします。

お手数おかけして恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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すると、返信が、来ないorz...待っても待っても来ない。シカトは厳しい。

丸々4日間待っても音沙汰無しだったので、改めてメール。
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お客様窓口　ご担当者様


お世話になります、○○です。
下記問い合わせを送付させて頂いてから丸4日が経ち、
未だご返答が全く無い状態です。

対応状況につき、ご連絡頂ければと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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すると、ちょうど3時間後に2,000字を超える壮大な返信がありました。これまでの人生で受け取った電子メールの中で、最も長文かもしれません。かいつまんで紹介。
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・誤表記となったものは、「フレッシュジュース」「自家製パン」「エビ」。
・ジュースは、昔はマジで絞ってたけど、途中からストレートタイプを使用するようになった。その際、
「旧農林水産省の果実飲料品質表示基準」における「フレッシュ」の定義に対する理解が欠けており、「フレッシュジュース」と名乗っちゃいけない、という認識がなかった。
・当館の料理長は歴代外人で、メニューチェックにおいて、自家製を提供しなければならないという認識が欠けていた（外人がチェックするメニューには「home made」とは記載されておらず、結果として自家製でなければならないという認識がなかった）。
・中国料理において、デカいエビを「車海老」、小さいエビを「芝海老」という慣習があり、実際にブラックタイガーやバナメイエビを使用していても、そう呼んでしまっていた。
・このメールを書いているのは婚礼セールス担当。○○様（私のこと）の披露宴は手絞り時代だったので、ちゃんとフレッシュしてた。
・他レストランについては専門部署にて調査中。後日改めて連絡する。
・原因は、メニュー表記の正確性に関する知識と認識が十分でなかったこと、関係者間での確認が不十分であったことなどが複合したため。
・ちゃんと教育して手続きも鉄板にするようにマジで頑張ります。
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ウィンザーの説明に比べると若干苦しいところはありますが、許容範囲。偽装ではなくて誤表示と言って良いと思いますし、私が同じ立場に置かれても、そう説明します。冒頭の記事は明らかにメディアが読者のミスリードを誘い、火に油を注いでいる。「フレッシュ」のオフィシャルな定義なんて本質的じゃないし、外人の「自家製」も超リアルで真実味があるエピソード。中国料理の商慣習はさすがにNGだけれども、これが事実なんだろうとも思いました。

しかし、何かひっかかるこの違和感。

やっぱ4日間シカトはいかんよな。婚礼および各レストランの調査が全部終わって完パケ納品したい気持ちはわからんでもないですが、せめて「受付しました」ぐらいの連絡はあっても良いと思います。返信プッシュされて結局分納する羽目になるぐらいならね。

電話で説明しろだなんて全く思っていませんでしたが、ウィンザーがすぐにきっちり電話をくれ、しかもその説明がかなりイケてただけに、どうしても相対化してしまう。

ただ、各レストランからの連絡が未だないため、結論はまだ保留。「食品偽装問題についてザ・リッツ・カールトン大阪に直接聴いてみたでござる vol.2」に続きます。

「香桃」というレストランにおいて、私は確実に誤表記食材を口にしているので、その説明をどのように行うのか楽しみです。うまく受け流して欲しいな、なんだかんだ言って、リッツ、思い入れあって、好きだもん。


メール全文は以下の通り。
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○○　○○様

この度はお問い合わせいただきありがとうございます。

XXXX年XX月XX日にてご結婚御披露宴を開催いただきありがとうございました。
私、婚礼セールスの○○と申します。
ご連絡が遅くなりましたこと誠に申し訳ございませんでした。

今回のメニュー誤表記の件につきましては、○○様には多大なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。

まず今回発生いたしました、メニュー誤表記について説明をさせて頂きたく存じます。

●ストレートジュースをフレッシュジュースとして提供していた点

2012年10月から2013年10月までの間、スプレンディード、ロビーラウンジ、ザ・バー、ラベ、シャンタオ、花筐、ルームサービスのメニューで「フレッシュ・オレンジ及びグレープフルーツジュース」と表記していたものが、
フロリダ産オレンジを収穫後48時間以内に搾汁後、急速冷凍した「ストレートタイプ・オレンジジュース」でした。質を一定に保つため、また、ゴミ削減にもつながることから、2012年9月まで館内で絞ってご提供していたジュースを、
現在の100％果汁タイプのジュースに変更いたしました。その際、高品質のものを提供するために何度もテイスティングテストを重ねて厳選いたしましたが、絞りたてのジュース以外「フレッシュ」と記載してはならないという
「旧農林水産省の果実飲料品質表示基準」に対する理解が欠けており、それまで使っていた「フレッシュジュース」という表記を変更しなければならないという認識がございませんでした。
ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。

○○様のご披露宴に関しましては、XXXX年XX月XX日ということもあり、搾りたての「フレッシュ・オレンジ及びグレープフルーツジュース」をご提供させて頂いておりました。

●外部委託先が製造していたパンを自家製パンとして提供していた点

ルームサービスのメニューに「自家製パン」と表示していた全9種類の内のパン3種類が該当いたします。うち1種類（ロールパン）はレシピを提供して外部業者に製造委託しており、残る2種類（食パン・ライ麦パン）は既製品を仕入していたものでした。
2006年4月より2013年10月まで誤表記での提供がございました。
こちらが起こった経緯としましては、当館の総料理長が歴代海外から来た者が勤めているのですが、メニューのチェックを行った際に英語表記の「From the bakery」のみを確認しておりました。
英語表記の中には自家製を表す「Home made」などの文言がなく、自家製を提供しなければならないという認識が欠けていたために、このようなことが起こってしまいました。
いずれに致しましても、私共の確認漏れによるミスでございます。ご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ございませんでした。


●車海老、芝エビ料理に他の海老を使用していた点

当ホテル内の中華レストラン香桃で芝エビと表示していた料理にバナメイ海老を車海老と表示の料理にブラックタイガー使用していました。
2006年4月より2013年7月まで誤表記での提供がございました。
中国料理の業界では昔から一般的に大きいえびは車海老、小さいえびは芝エビと呼ぶ慣習がありました。この慣習に基づいてメニューを書いていたため、車海老と表示しながらブラックタイガーを、芝エビと表示しながらバナメイ海老を提供しておりました。
もちろんこの慣習は一般常識からかけ離れており、是正されるべき問題でございましたので、2013年7月に発見後すぐに問題の是正を行いました。
こちらの問題に関しましても、業界の慣習にとらわれ、入念な確認を行った為におこってしまったミスでございます。大変申し訳ございませんでした。
　　　　　
こちらに関してもご確認しましたところ、ご披露宴に誤表記該当のメニューはございませんでした。

ご利用いただきました各レストランにつきましては現在、専任部署にてお調べしておりますのでしばらくお時間かかりますこと
お許しくださいませ。改めてレストラン窓口担当者よりご連絡お入れいたします。

　　　　　　
今回のメニュー誤表記の原因につきまして調査を行いました結果、メニュー表記の正確性に関する
知識と認識が十分でなかったこと、関係者間での確認が不十分であったことなどが複合したためと判断しております。

こういったことが二度と起きないよう、当ホテルではこれらの問題を確認したのち、ただちに全従業員に対し、改めて教育指導の徹底を図るとともに
メニュー表記の正確性を確保するための適切な手続を制定するなどの再発防止に取り組んでおります。

多大なご心配とご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく、重ねてお詫び申し上げます。
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