日本のフレンチ会では超超超有名人ですよね、ヌキテパの田辺シェフ。体操選手→ボクサー→おでん屋→フランス料理人という、異色の経歴。ミシュラン一ツ星。
お店に向かう前に品川ストリングスホテルのロビーでお茶。コーヒー1,300円なのですが、ケーキをつけると2,100円と突然リーズナブルになります。
一応アフタヌーンティーという立てつけなので、飲み物のおかわりは自由。プチおすすめです。
ヌキテパ到着。フランクリンアベニューのお隣に佇むお屋敷。昔はドイツ大使の公邸か何かだったんですって。
ヌキテパと言えば、スイカと魚介と土。田辺シェフほど名前とスペシャリテが直結している料理人は珍しいと思います。早速スペシャリテ(?)のスイカのシャンパンで乾杯。最後に残ったスイカをフォークで食べるのですが、炭酸を吸っていて果実がシュワシュワしておもしろかった。
アミューズにはカラスミ。どシンプル。
こちらはスイカとピクルス。結構塩をふるので、おつまみになるところが面白い。
前菜はカニにタマネギのジュレ。ジュレは味が薄くピンときませんでしたが、カニの身とその味噌の味が非常に濃厚でたまらん一皿でした。
スペシャリテのハマグリ炭火焼。これは料理というよりも調理でしかないと思うのですが、スペシャリテとして有名になるなんてすごい。ジューシーでプリプリで美味しい。貝に残ったスープをすするのがたまらん。
こちらもスペシャリテの魚のスープ。メバルなどの磯魚数種の身や内臓、骨やら何やらを圧縮したスープです。濃厚濃厚濃厚。とてもタイプ。大満足。
メインはキンメダイ。こちらも恐ろしくシンプルな調理ですが、本当に美味しい。
ガロニ(付け合せ)は後追いで黒いダイコン。プレゼンテーションが大げさな割に大して美味しくなかった。
デザートはもちろんスペシャリテのスイカのショートケーキ。9割方スイカなので、スイカに生クリームがのっかてる程度の味なんですが、アイデアは素敵です。
そしてこちらもスペシャリテの土のグラタン。土です、ええ。ジャリって。ただ、味はチョコやプリンを焼いた感じで全く問題なし。
プチフールのフィナンシェもシンプルですが美味しい。
エスプレッソのカップのお魚さんがかわいいですね。
私はすごく気に入りました。シンプルな調理。ど直球勝負。オシャレではないが、ただただ美味しい。それだけのお店です。肉は一切出さないなど哲学も感じさせてくれる。北島亭的な食後感があります。奇抜で色とりどりなだけで全然美味しくないレストランが多い中、こういった安定感のあるお店は大切。
サービスも適度に親しみを感じさせてくれ、申し分ありません。また行きたい。
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