オーベルジュ・オー・ミラドー/箱根


 グルメな大先輩から「ここは良いよ」とシンプルに教えて頂いたお店。
 典型的なオーベルジュ。
日本でオーベルジュをやってみようということで、マジで気合入ってます。シェフの勝又さんは、ヨーロッパで修行を経てからドラシテで大成功をおさめ、シザーブルを手がけるという、日本フレンチ会の重鎮。その後もヘンにテレビに出たりせず、田舎でオーベルジュ始めるとか超カッコイイです。
 前菜は三島野菜のチップスに魚のリエット。イカスミの何かにカレー味の何か。ゴボウおよびレンコンのチップスがすごく美味しかった。
 グラスをひっくり返すとかぼちゃのスープを入れて下さいます。誰でもできそうで、この発想は初めてあるね、グラスひっくり返すの。
 自家製ライ麦パン。穀物の味がしっかりしてて、噛み締めるほどに味が染み出してとても美味しかったです。
 下からブリオッシュにちりめんキャベツ、コンソメのジュレ、そして
 フォアグラのパテ。普通こういう前菜って量が少なくて、美味しければ美味しいほどストレスが溜まるのですが、当店はしっかりとした量で大満足。
 エビのビスク。想像通りの美味しさ。本日一番の皿。エビのうまみが濃縮された上で、上品なクリームでのばしたカンジ。おかわりしたい。
 ハタと金華ハム。フレンチで金華ハムを食べるのは初めて。しかもアクセントにちょいちょい使うのではなく、しっかりとした厚みでペロって感じ。ハタも火入れが良く身がプリップリ。
 メインは鴨。こちらもしっかりとした量。シチリアレモンが添えられていてサッパリしてすごくいい。
 デザートはパカーンと割って
 アイスとスポンジケーキ。悪くないですが、料理のレベルが高かっただけに、もうちょっと質を上げて良いと思う。
ミニャルディーズも控えめ。うーん。もっとデセールはガンガン攻めて良いでしょう。ホテルのクラシックなフレンチ(例えばミシェルブラスラベ)であれば、最後にものすごく追い込んできてもうこれ以上食えねえと逼迫した状況に陥らせてくれるのですが。オーベルジュなんだから、後先考えずにもっともっとかかってこい。せめてワゴンできやがれ。

どの皿もハズレがなく全て美味しい。完璧です。ただ、10年後も今日食べた皿をきちんと覚えているかと言われるとちょっと自信ない。そう、印象的ではないんですね。立地も雰囲気も味も申し分無いので、徐々に一歩ずつ前に進んで貰えると、もう何度でも来たい。間違いなく素晴らしいレストラン。伝説はもうすぐそこに。



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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。


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